qmail-vida で使用するパスワードデータベースの初期化を行い、qmail の設定ファイルを作成します。
また sendmail コマンドを使えるように qmail の sendmail ラッパーを作成してメールエイリアスの作成します。
パスワードデータベースの初期化
qmail-vida で使用するパスワードデータベースを作成します。
パスワードデータベースを初期化することによって authdb ディレクトリ以下に実在ドメイン/実在ユーザー用の pwdusers ディレクトリと実在ドメイン/仮想ユーザー用の pop ディレクトリが作成されてパスワードファイルが作成されます。
qmail の設定ファイル
qmail の設定を行うファイルのことを制御ファイルといい、この制御ファイルを /var/qmail/control ディレクトリに格納します。
/var/qmail/control/defaultdomain を作成します。
このファイルにはホストアドレスにドット(.)がない場合に追加する値を設定します。
/var/qmail/control/defaulthost ファイルを作成します。
このファイルにはホスト名が指定されていない場合に追加する値を設定します。
/var/qmail/control/locals ファイルを作成します。
このファイルにはローカルメールアドレスとみなすメールアドレスを設定します。
mail.honana.com
server.honana.com
/var/qmail/control/me ファイルを作成します。
このファイルにはメールサーバーのホスト名を設定します。
このファイルは qmail にとって最も重要なファイルでこのファイルが存在しないと qmail は動作しません。
/var/qmail/control/plusdomain ファイルを作成します。
このファイルにはプラス記号(+)で終わるアドレスに追加するドメイン名を設定します。
/var/qmail/control/rcpthosts ファイルを作成します。
このファイルにはメッセージを受け取れるホストやドメインを設定します。
この制御ファイルの値を設定しない場合、全ての受信者宛のメールメッセージを受け取ることになりスパムメールを中継してしまう可能性があるので注意が必要です。
mail.honana.com
qmail の sendmail ラッパー
ほとんどの Linux システムはローカルマシン内でメールの送信を行うために標準メールボックス(sendmail コマンド)を備えています。
これを qmail 内の sendmail ラッパーにリンクし、sendmail プログラムを置き換えます。
# ln -sfn /var/qmail/bin/sendmail /usr/lib/sendmail
メールエイリアスの作成
qmail ではセキュリティー上の問題が発生することを防止するために root ユーザー宛のメッセージを受け取ることができなくなっています。
しかし Linux システムの多くは root ユーザーアカウント宛てにログレポートを送信するように設定されています。
これを受け取るために root ユーザー宛のメッセージを他のユーザー(ここではユーザー koko)に転送するように設定します。
また postmaster、webmaster、mailer-daemon も同じく root 以外のユーザーに転送するように設定します。
# echo '&koko' > /var/qmail/alias/.qmail-webmaster
# echo '&koko' > /var/qmail/alias/.qmail-mailer-daemon
# echo '&koko' > /var/qmail/alias/.qmail-root